はい、こんにちは。
ニュースやSNSではにぎわっている止まらない円安も、普通に会社に行って仕事を終わって帰ってくる生活をしていたらほぼ無関係の日本人。
預貯金が実質目減りしてることに危機感持たないと、海外旅行が高くて行けなくなりました、では済まない問題がすぐそこまで来ています。
4月からは高校の家庭科の授業で金融教育も始まる中で、大人もお金について勉強した方がいいよね、と思う今日この頃です。
日銀指値オペで加速する円安
いよいよ126.482円をつけたドル円相場。
来週は130円も・・・と、ブルームバーグは言っています。
www.bloomberg.co.jp
そんな中で日銀は指し値オペを実施しました。
www.bloomberg.co.jp
ということで、投資を始めて初めて耳にしたこの指し値オペ。
一回まとめてみたいと思います。
指し値オペとは
米国の長期金利の上昇に伴い、日本でもわずかながらも長期金利が上昇してきました。
そこで日銀の黒田総裁はこう言います。
通常、市場で国債は償還期間にあわせて金利が決められています。
短期金利(3ヶ月債、2年債・・)は金利が低く、長期金利(10年債、20年債・・)は金利が高い。
その理由は、自分が他人にお金を貸す場合や、住宅ローンでもわかると思います。返済期間が短い場合よりも長い方が貸し倒れリスクは大きくなりますね。
35年も貸してる間に行方が分からなくなることもあるし、仕事を辞めることになるかもしれない・・・。住宅ローンの場合は住宅を担保にしているので、まだ安心なのですが、個人間のお金のやり取りだったら、、、と思うと、、、貸す側としては長期はリスク大となるのです。
そんな国債が市場で売買されると、需要と供給のバランスによって価格が変動します。
金利が同じで債券価格が高くなれば、その債権の利回りは低くなりますし、逆に債券価格が低くなれば利回りは上がります。
その国債を日銀が利回り固定で買っちゃうという反則技を出してまで国債価格の下落(利回りの上昇)を抑えたかったわけです。
その理由は・・・
そうです、このまま10年国債利回りが上がれば銀行からの企業や個人への融資の金利は上がり、今以上に企業の設備投資は鈍り、市場にお金が出回らなくなります。
まぁ、今でもお金が出回ってる感は感じられませんけども・・・。
住宅ローンの長期借入金利は上がり、住宅購入を検討する人も少なくなる、企業も銀行への返済負担が大きくなり、融資を受けにくくなるということから、国内の消費活動がさらに抑制されてしまいます。
そんな日本国内のためにとった指値オペにより発生した事態が、日米金利差の拡大です。
現在米国では、10年国債利回りは高止まりしつつあるインフレを抑え込むために、金利を上げるぞ、上げるぞとなって今や2.828%。
銀行預金と同じだと思ってみると・・・
アメリカ銀行は金利2.8%、かたや日本銀行の金利は0.25%。
同じ100万円を預けるとしたらどちらの銀行に預けたくなりますか?
ということで、世界では円を売ってドルを買うという流れが加速しています。
ちなみにかねてから日銀は2.0%のインフレ目標に掲げていますが、
この円安による物価上昇をインフレ目標達成とはしないよね、、、、黒田総裁。
生産性が上がっていないのに、輸入価格の上昇による物価上昇してインフレになったところで、景気は良くなりません。
給与は上がらない、なのに輸入物価は上昇するで、そろそろ政府か日銀が動くかもしれませんが。
名目金利と実質金利
上記のようなことから、高金利通貨のドルが買われて低金利通貨の円が売られる状況になっているのですが、ここで一つ忘れてはいけない注意点。
(名目)金利は高ければいいわけではないということ。
たとえば親日で有名なトルコの政策金利はなんと14%!、ブラジルは11.75%!!、メキシコは6.00%と、高金利の諸外国も多いのです。
しかし為替のチャート長期で見てみると・・・円高トレンドになっています。高金利通貨なのに!


こんな高金利通貨なのに、なぜ円を売ってトルコリラ、ブラジルレアルは買われないのか?というと、国の信用が不安定ということもありますが、、、こういった高金利(すぎる)国はインフレ率も極端に高いのです。
14%の利息がもらえるトルコ銀行やブラジル銀行にお金を預けていても、その金利以上に毎年物価が上がっていってしまうという全然うれしくない状態!!
名目金利からインフレ率を引いて求められる実質金利が高くないと、世界の投資家からは求められてないってことですね。
中央銀行が操作できる名目金利がいくら高くても、実態経済の影響を受ける実質金利がプラスになっていないと、その通貨(債券)を保有するうまみが無いということです。
今の状況と今後は?
現在日本は、名目金利=0.0%、インフレ率=0.9%なので、実質金利は-0.9%です。
一方米国は、名目金利=0.5%、インフレ率=7.9%なので、実質金利は-7.4%です。
??
そう考えると、今実質金利は日本の方が6.5%も高いし、米国はインフレ爆進なのに、なぜドルがこんなに買われているのだ!?!?
未来を見通す債券投資家はこんなことを考えています。
2022年、米国は利上げを実施してインフレを抑制していく。
賃金も上がるし、経済も回復した米国はやはり強い!
一方日本は・・・輸入コストの増大による物価上昇は避けられず、経済回復の先行き見通しは悪い。。利上げをしたくてもできない。。
うーーーん、、、日本経済、アウトォォォ!!
といった感じでしょうか。
2022年の終わりには米国は名目金利=2.25%、インフレ率=3%、実質金利=+0.75%になる一方で、日本は名目金利=0.0%、インフレ率=2.0%、実質金利=-2.0%くらいなんじゃないか?
と思われていてもおかしくない。
それくらい今の政府与党は何もしていないのです。
今後、行き過ぎる円安を止めるのは日本の国力ではなく、政府の為替介入によって一時円高に振れることがあるかもしれませんが、、、、
www.sankei.com
それでも1ドル=110円程度の戻ってくるような、円の力は感じられませんね。
まとめ
円安・ドル高についてまとめてみました。
資源、食料を多く輸入に頼る日本において、今や過ぎた円安はいいことはありませんね。。
家計を圧迫し、さらに消費意欲を削がれるだけです。
とはいっても、そもそもバブル崩壊から給与も上がらないし、物価も上がらないでデフレに落ち込んでいた日本の物価は低すぎることに皆が慣れてしまっていて、世界のインフレの波に完全に取り残されているように感じます。
資源も食料も国内で賄えているのなら世界は関係なく、日本の独自路線を行けばいいですが、そういうわけにはいきません。
自分にできる防衛策を考えていきたいと思いまーす。
ということで、何か参考になれば幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました!