12月に増配決まったHDVで久しぶりにまとめ書いてみたんですが、今回は他の高配当ETFがどうなっていたのか、併せてまとめてみました。
増配したHDVとは逆に、四半期ベースでは大減配したSPYDも一時期話題になったし、息子名義で積み立てていたVYMも最近はまったく値動きを見ていなかったので、ここで改めて高配当ETFについて書いてみました。
どうぞよろしくお願い致します。
高配当ETF
配当金欲しさから米国株を始めたものの、でも個別銘柄は銘柄選定が難しい・・・となると、非常に取り扱いやすいのがこのETF(上場投資信託)です。
ETFが運用方針に沿った銘柄を選定し、70~数百銘柄への分散投資が可能です。
また、高配当ETFと謳っているこれらのETFは分配金(インカム)を獲つつもそれだけではなく、売却益(キャピタル)も狙えるという両刀使い。
通常、配当金を多く出す銘柄はハイテク企業などと違って、現時点である程度の市場規模を確保し成熟した企業が多いため、株価の大幅な上昇というのはあまり見込めないものなのですが、このETFはそうではないのがすごいところ。
そんな3つのETFを比較・紹介していきます。
過去の株価推移
水色・・・SPYD
青色・・・VYM
オレンジ・・・HDV
黄色・・・S&P500
直近1年の3つのETFとS&P500種指数の株価推移はこちら。

縦点線が2021年年末時点です。
VYMは指数とほぼ同じパフォーマンス、SPYDはアウトパフォーム、HDVは大きくアンダーパフォームしていたことがわかります。
保有銘柄などの詳細は後ほど記載しますが、GAFAMなどの市場をけん引したハイテク銘柄を含まない2つの高配当ETFが昨年は指数と同等以上のパフォーマンス、かつ配当も3%程度だったというのはすごいですね。
2022年年初来はこんな感じです。

S&P500が年初大きく下げているのに対して、高配当ETFは3つそろってプラスリターンを維持。(VYMはぎりぎりか)
さらに、HDVとS&P500の差がハイテク株からバリュー株へ資金が流れていることを表しています。
直近3年の分配金推移

1株当たりの分配金金額です。
詳しくはこちら。

非常に安定していて、2年連続増配となっています。前年比6.5%の増配です。
配当利回りは2.8%。

年末に大幅減配で話題になったSPYD。
確かに12月期だけで見たら大変なことになっていますが、年間のトータル配当金額で見ると前年比▲5%の減配にとどまっています。しかし、2年連続の減配・・・。
2022年はどうなることやら。
配当利回りは3.6%。

2020年は11.8%の大幅増配したHDVですが、2021年は前年比▲2.5%と減配。
配当利回りは3.4%。
SPYD、HDVともに減配基調で少し先行き不安感がぬぐえません。株価上がるのは嬉しいけど、配当維持でどうにかよろしくお願いしますょ。
ETFの個別詳細
VYM(現在価格:112.18ドル)
詳細
名称・・・バンガード・米国高配当株式ETF
インデックス・・・FTSE・ハイディビデント・イールド指数
運用会社・・・バンガード
構成銘柄・・・381銘柄
設定日・・・2006年11月
年間経費率・・・0.06%
投資先・・・米国企業の大型株を中心に予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄
純資産総額・・・72.76億ドル
組み入れセクター

1番の特徴は金融セクターが多くを占めていることですね。
これから利上げが始まれば金融セクターも好調になっていくことが考えられるので期待大です。
組み入れ銘柄上位10

日本でも聞き馴染みのある銘柄ばかりですね!
JPモルガン、ジョンソン&ジョンソン、ホームデポ、、、。
この10銘柄で全体の24.3%を占めているので、約400銘柄が投資対象とはいえ、結構なウエイトだとも思います。
SPYD(現在価格:42.96ドル)
詳細
正式名称・・・SPDRポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF
インデックス・・・S&P500高配当指数
運用会社・・・STATE STREET
構成銘柄・・・80銘柄に均等分散
設定日・・・2015年10月
年間経費率・・・0.07%
投資先・・・S&P500組み入れ銘柄の中で配当利回りの高い上位80銘柄
純資産総額・・・56.57億ドル
組み入れ上位10銘柄

他のETFと違って、80銘柄に均等分散をしています。
よって、どの銘柄も購入割合は1.25%。
グラフで割合が違ってきているのは、株価の変動によって割合が上下するからで、リバランス時に株価が上がって配当利回りが下がった銘柄はETFの採用銘柄から外されます。
配当利回りを優先の銘柄選定ということで、必ずしも聞き覚えのある有名銘柄ばかりではなく、上位10銘柄は聞いたこともない銘柄ばかり・・・^^;
でもS&P500採用の安心銘柄です。
SPYDのデメリットとしては、保有銘柄の株価が上がった場合、配当利回りが下がってしまう為、ファンド内リバランスをする際に組み入れ銘柄から外れてしまうというデメリットがあります。
普通は株価が上がることは喜ばしいことなのに、利回りが下がってしまうばかりに除外されるというジレンマ・・・。
また、不動産セクターを多く占めているので、非常に景気動向に左右されやすいです。
しかし、米国の不動産は直接日本から購入できないため、SPYDを通して分散投資できるという一面もあります。
高配当ETFの中では一番の配当利回りのため人気のあるETFですが、投資先など中身もしっかり確認したうえで購入したいですね。
高い配当利回りだけに目を奪われていてはいけません。
まとめ
高配当ETFと呼ばれるVYM、HDV、SPYDを比較してみました。
配当金額、配当利回りだけではなく、投資先がどこなのか、どのセクターに重きを置いているのか、わかったうえで投資をしていた方が、急な下落相場でも落ち着いて投資を続けることができます。
(上記3ETFに限った話ではありませんが)
そして値上がりだけでなく、四半期ごとの安定したインカム収入は運用評価額が下がった時の心の支えにもなりますし、家計のキャッシュフローに組み込むことも可能!
もちろん課税されることのデメリットはありますが、その点を差し引いても十分に検討の余地はあるのではないかと思います!
ETFにチャレンジしようという方の参考になれば幸いです。